高校におけるeスポーツについて

  • 桐生第一高等学校
  • 「キリイチ eスポーツ部」、始まる。

  • 「高校eスポーツ部支援プログラム」を活用し、ゲーミングPCを導入した県内の3校。普段の活動内容と、なぜeスポーツ部を創設することになったのかを、学校法人桐丘学園桐生第一高等学校の広報課長・ 齋藤康次先生に聞きました。

eスポーツ部が新年度から動き出すそうですね。

広報課長の齋藤康次先生

齋藤 2021年4月に発足し、部員の募集を開始する予定です。昨年10月に群馬県eスポーツ連合さんからゲーミングPCなど機材レンタルのプログラムを紹介してもらって、11月にはお借りすることになり、現在はパソコン部の生徒たちにトライアルしてもらっています。すでに在校生からも「やりたい」「入部したい」という声が挙がっています。地元紙で記事を見かけたのか「eスポーツ部に入りたい」という中学生の声も聞こえてきています。eスポーツ人気の高まりを日々感じています。

どうして部活を立ち上げることになったのでしょうか。

eスポーツに取り組む真剣なまなざし

齋藤 2019年8月。eスポーツの全国大会に二人組で出場して準優勝という成績を残した生徒がいました。部活動としてではなく個人で参加したので、学校として認可するのは非常に難しいところでしたが、これがeスポーツ部を議論する絶好の機会となりました。その後、この成果を称える横断幕を掲出したんです。これを本人が喜んでくれまして。このことを呟いた彼のtwitterに5万近くの”いいね!”が集まっていることには驚きました。そしてさらに、実はパソコン部の3年生もeスポーツに取り組みたかったということが分かりまして。生徒たちの想いに背中を強く押されて調整を始めました。

学校でeスポーツ部発足。いろいろとハードルが高かったのでは?

様になるキーマウ(キーボード・マウス)操作

齋藤 高校だけではなく、学園全体の承認を得ないといけませんし、インターネット回線の新設には建物の構造や経費の問題もありました。当然「ゲームのための回線を引くのはどうなのか」という声も多く挙がっていましたし。しかし、学園全体としても、新しいことには躊躇なく進もうという空気があります。やるなら1番がいいですし、1番を目指すためにはスピード感が本当に大切です。それと、生徒がやりたいことを学ばせることも大切なことです。ゲームだからと大人の価値観だけで邪魔してはいけないと思っています。

先生とも仲の良いパソコン部の面々

齋藤先生から見たeスポーツの印象を教えてください。

齋藤 勢いがありますよね。プレイヤーだけでなく、携わっている人たちにも。これから新しいことを切り拓こうという人たちはとにかく元気だなと感じます。  それと、プロになる子はほんの一部だということも同時に思います。本校では特に野球やサッカーなどでその様子を長年見てきましたが、eスポーツの世界もよく似ています。新しい競技だからといってすぐプロになれるというわけではありません。ただ、業界の規模が大きくなればなるほど人材が必要になってきます。どうやってこのスポーツに携わるかという視点も大事になってきますよね。選手になるだけでなく、チームの運営や選手のサポートなどの仕事も増えてくるかもしれません。そういう意味でもこれからが楽しみなスポーツです。

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